健康ガイド
健康ガイド:第6回 アレルギー
そもそもアレルギーって?
体内に侵入した異物に過剰反応して起こる、人間にとって不愉快な免疫反応のこと
私たちの体には、体を健康に保ち、病気になればこれを治す仕組みが備わっています。これを自然治癒力、あるいはホメオスタシス(恒常性)・システムと言います。このシステムを構成するもののひとつに「免疫系」というものがあります。免疫とは、自分と他者を区別して他者を排除し、体を守ってくれる働きのことで、具体的な働きには、以下の3つがあります。
- 異物が入ってくることを阻止したり排除したりすること
- 腫瘍細胞を排除すること
- 老化細胞・変質細胞を除去すること
これらがうまく働かないとアレルギーや感染症、ガン、自己免疫疾患などが起こります。
このようにアレルギーは、免疫系の異常のひとつです。通常は体内に入ってきた異物を排除するところ、排除の仕方が過剰で人間にとって不愉快な免疫反応を起こすのがアレルギーなのです。なおアレルギーには、大きくⅠ~Ⅴ型の5つに分類され、一般的にいうアレルギーはこの中でⅠ型(即時型アレルギー)のことを言います。
アレルギーが起こる仕組みは?
いったん感作された抗原(アレルゲン)に、再度接触すると炎症反応が引き起こされる
アレルギーが起こる仕組みをイラストを見ながら追ってみましょう。
アレルギーの元となる抗原(アレルゲン)が粘膜から進入し、アレルギー抗体であるIgE(免疫グロブリン)がたくさんつくられます。IgEは、マスト細胞という細胞にくっつき、こうしてマスト細胞は感作状態(スタンバイ状態)となります。ここに再び抗原がIgEにくっつき、感作マスト細胞は、顆粒を放出します。顆粒のなかにはヒスタミンなどの化学物質が含まれていて、炎症反応を起こします。
たとえば、花粉症の場合、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが引き起こされます。アレルギーが原因で起こる病気には、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、気管支ぜん息、じんましん、食物アレルギーなどがあります。
次回は、代表的なアレルギー疾患であるアトピー性皮膚炎についてご紹介します。